嗜好の変化を追い風に

プレモルで新市場創造


  サントリービールが勢いづいている。昨年はアイテム強化を図った「ザ・プレミアム・ モルツ」が好調に推移した。ビール戦略の中核となる「プレモル」の展開を探った。  

ザ・プレミアム・モルツ/
ザ・プレミアム・モルツ~ マスターズドリーム/
ザ・プレミアム・モルツ<香るエール>

 

 

サントリービール株式会社

 
プレミアム戦略部 課長
馬場直也さん

プレミアム価値を強化

 「ビールに求める嗜好が変化してきました。〝苦味〟から〝辛口〟の時代へ、そしてコクや香り、旨みなどの〝味わい〟の時代になってきたとみています」とプレミアム戦略部の馬場直也課長。「ザ・プレミアム・モルツ」はプレミアムビール市場の半数以上を占めるリーディング商品。「この市場を拡大するには積極的な提案が重要。今年は、プレミアムにしかできないこと、プレミアム価値の強化を進め、サントリーの強みを加速させます」(同)。ポイントはプレモルのリファイン、<香るエール>の発売、マスターズドリームの接点拡大だ。
 「ザ・プレミアム・モルツ」は15 年末からダイヤモンド麦芽を増量し、より深いコクを進化させた。「希少な麦芽を増量し、味わいが進化したことをしっかり伝えていきます」と馬場課長。「ハレの日」を中心に販促・広告を強化しニーズを喚起する。大々的なCM 展開とともにSNS でも、お盆や年末などハレの日に合わせた情報を発信する。季節のハレ訴求として、切り絵画家の久保修氏が日本の春をイメージして描いたデザイン缶も数量限定発売する。

フルーティな「ジャパンエール」で新ユーザー開拓

 さらに3月から「ザ・プレミアム・モルツ<香るエール>」を発売。日本のビールのほとんどが下面発酵のピルスナータイプなのに対して、上面発酵のエールビールで新市場を創造しようと狙う意欲作だ。発祥の地イギリスの常温で飲むビターなエールとも個性的なアメリカンエールとも異なる日本人の嗜好にあう「ジャパニーズエール」を打ち出した。「フルーティで爽やかなおいしさで、食事と一緒に楽しむビールとして提案します。事前調査でも大変評価が高く、フルーティさや香りが評価されています。プレモルの大きな特徴のひとつである香りがビールの重要な価値になってきています」。14 年から発売している「香るプレミアム」では6割がプレモルの新ユーザーで特に女性の比率が4 割強と高かった。〝最高のうまさで、ワクワクさせたい〟という企業方針に沿った、ビールの多彩な魅力を提案する商品としても位置付けている。料飲店の展開も既存の4000 店から10,000 店規模に拡大。「ユーザーとの接点を強力に広げます。お取扱い店様ではプレモルとの併売でメニューのビールアイテムが増え、数量も増えたと好評です」。CM では新たなメッセンジャーとして松田翔太さんを起用する。

スーパープレミアムクラスもチャネル拡大

 昨年発売し、スーパープレミアムクラス市場を開拓した「~ザ・プレミアム・モルツ~マスターズドリーム」は、京都工場に設備を増強し、従来のCVS とギフト、飲食店限定から、スーパーなど全てのチャネルへと販路を拡大する。「多重層で濃密な味わい、瓶型などの品質感が評価され高級イメージを確立しました。継続して飲みたいという意向も圧倒的に高い値です。醸造家の夢を実現したビールなので、店頭で醸造家が直接想いを伝えるセミナー なども展開します」という。
 コクと香りはこれまでプレモルがずっと訴求してきた価値。嗜好の変化を追い風に、2016 年プレモルは前年比103%を狙う。