次世代の生ビールを提案


究極のコクキレ※で新領域を拓く


  アサヒビールは7 年ぶりのビールの新ブランド「アサヒ ザ・ドリーム」を発売した。今なぜ新ブランドを投入したのか? 背景には徹底的なマーケティングに基づく壮大な狙いがあった。。  

アサヒ ザ・ドリーム

 

 

アサヒビール株式会社

 
マーケティング本部 マーケティング第一部
新商品開発室 プロデューサー
中島 健(たつる)さん

1万人規模の調査で分かった理想の味

「ビールだけを飲むビールユーザーが増えています」と開口一番切り出したマーケティング本部マーケティング第一部 新商品開発室の中島 健プロデューサー。最新調査では新ジャンル併飲派より多かったという。「ビール回帰の流れの中で、新たなビールブランドでチャレンジしたいと考え、発売したのがアサヒ ザ・ドリームです」。
 開発に先駆け、週1回以上ビールを飲む人に1 万人規模のアンケートを実施した。「キレがあっても薄い味は好まない、コクがあっても重い後味は嫌。理想のビールの味の嗜好として出てきたのがキレとコクの両立。このコクキレをコンセプトに開発を進めました」。
 「アサヒ ザ・ドリーム」の特長は究極のコクキレ。「ズバリ味です」という。出来上がった味をマンツーマンのインタビュー調査したところ、キレとコクがひとつにまとまっているとの高い評価を得た。ユーザーの期待が高く、理想的なコクキレのビールは新たな領域の市場だと見ている。

ピンポイントの発酵管理で実現

 もう一つの特長が、糖質50%オフ。ビールの飲み方の調査で、家に帰ったら、リラックスした楽な状況で飲む人が多くいた。同時につまみや食事と一緒に飲む人が大半。健康を気にせず、おいしい生ビールを飲みたいというのが理想の姿だった。「アメリカの主要銘柄ではライトタイプが7 〜 9 割を占めています。日本でも次世代のビールを考えるとき、糖質オフはもはや時代の要請だと考えます。そのため機能性ビールとしての訴求はあえて打ち出していません」。
 コクとキレ、糖質オフの実現。「ザ・ドリーム」はその名の通り、ビール通の理想のビールを目標として開発された。だが、ことは簡単には運ばない。ビール酵母が糖を分解するとキレは出るがコクは弱くなる。糖分の分解が少ないと糖質は多く残る。「それを実現したのがビールのうまみ成分であるアミノ酸のバランス。このためザ・ドリームではピンポイントで酵母の動きを調整する発酵管理を行っています」。開発期間は約2年。

強力販促で新市場創造をバックアップ

 新市場開拓を狙う新ブランドだけに、販促も大がかりだ。中島プロデューサーは「味に自信があります。コクキレの味を知ってもらうために飲用体験のサンプリングや試飲会を強力に行います」。発売は3月23 日だが発売前に100 万人、発売後1か月で100 万人の計200 万人規模となる。これだけの規模の販促は同社始まって以来のことだ。
 CM キャラクターはラグビーの五郎丸歩選手。夢(ドリーム)を追いかける人を象徴する旬の人だ。こちらも発売前からティーザーCM をスタートさせ、年間1 万GRP の大量投入を行う。
初年度目標は400 万ケース。30 年前に「スーパードライ」がキレ辛口の市場を創ったように、「アサヒ ザ・ドリーム」は次世代の生ビール市場の創造を狙う注目の商品だ。
 ※「 コクキレ」とは、同社が目指すコクとキレの最適なバランスのこと。
 ●糖質50%オフ 日本食品標準成分表2015 年版(七訂)による